学術大会長 挨拶


         第32回学術大会に向けて
     日本健康科学学会第32回学術大会_
      学術大会長 斉藤 邦明__
    (京都大学 名誉教授、藤田保健衛生大学大学院医療科学専攻 教授)_

    学術大会長 斉藤 邦明   この度は「日本健康科学学会 第32回学術大会」を「先制医療の実現」をメインテーマとして、平成28年9月に開催させて頂きます。伝統ある本学術集会を信川益明理事長はじめ会員の皆様のご高配でお世話させていただくことは大変光栄で感謝申し上げます。

     先制医療(Preemptive medicine)は、従来の予防医療とは違って個別化医療(Personalized Medicine)であり、発症前治療と定義しています。日本の医療費は高騰しており、現在の医療行政の問題を払拭する最善策の1つは疾患の予防と考えられています。医療職が連携して如何に「病疾患が発症してから病院に行けばよい」という旧来の発想から、「明日の健康、私が、そしてあなたがつくる」という一人一人が自分事の医療と捉える自己啓発が高まる世界を構築するためには今何が必要かを考えたいと思います。これまでの予防医学は主に経験的事実を元に展開しており、その効果に関する科学的な根拠は弱いと言われています。ヒトの全遺伝子が解読されてから、ゲノミクスほか様々なオミックスがフォーカスされ、疾患の発症とそれらの関連が科学的に立証されるようになっています。これは、経験の学問から予測科学へと発展するであろう事を示唆しています。疾患の発症の多くは 「遺伝的要因」と「環境的要因」が複雑に関与しており、発症予測には生涯の健康情報(Personal Health Record)を如何に有効活用するかが極めて重要です。我が国の超高齢社会に対応する先制医療を核とした健康管理・疾患対策に関して、産官学をはじめとして多様な形での新しい研究開発戦略に今期待が集まっています。

     本大会では、メインテーマである「先制医療の実現」に関連した内容を特別講演、教育講演はじめ、シンポジウムにて「ヘルスケアビジネスの将来展望と課題」「機能性食品の将来展望:疾患予防の観点から」「職場のメンタルヘルス対策」を企画したいと思っています。

     また、本学術大会では学会の特色であります学際的な内容に加え、一般市民の方を対象とした「健康増進」のための食や運動に関する市民公開講座を企画しております。

     是非大勢の先生にご参加頂き、学術交流を深めて頂きますようお願い申し上げる次第です。